FP1級学科試験に合格したら、いよいよ実技試験ですね。
FP1級実技試験は面接ですが、受験者数が少ないため、試験に関する情報も少ないです。
この記事では、受験してわかった試験の流れや感じたこと、試験対策を解説しています。
これから受験する方の不安が少しでも解消されれば幸いです。
実技試験を受験する前に
合格率85%程度
試験によりばらつきはありますが、合格率は85%程度です。
85%の合格率をどう感じるかは人それぞれだと思いますが、あくまでも受験者は難関の学科試験に合格した方のみです。
1,000人受験すれば150人は現実に不合格になっています。
2021年9月10月実施試験
受験者数: 1,341人
合格者数: 1,142人
不合格者数: 199人
一般財団法人 金融財政事情研究会
不合格になった方の中には、きんざいの面接試験を諦めてFP協会の筆記試験を受験する方もいるようです。
面接試験の難しさ
面接試験の難しいところは、面接官に対して、限られた時間の中で内容を正確にわかりやすく伝える必要があることです。
緊張していると、瞬時に最適な回答が浮かばないこともあります。
筆記試験とは違う対策が必要です。
実技試験の勉強と対策は必要
学科試験に合格するまでには、十分に勉強している方が多いと思います。
実技試験は合格率も高いので、学科試験の復習をしていけば問題無いような気もしますし、期間も空くため気が緩みがちです。
学科試験の合格がわかったら早めに勉強することをオススメします。
[ FP技能検定1級実技対策問題集 ]
実技試験の勉強に必要な教材は、きんざいが発行している [ FP技能検定 1級 実技対策問題集 ] です。必須です。過去問と詳しい解説が載っています。
繰り返し解くことにより、実技試験に慣れてきます。
試験はPartⅠとPartⅡに分かれています。Ⅰは相続・事業承継でⅡは不動産です。
学科試験と比較すると試験範囲は狭いですが、より詳細な知識が必要です。
制度について質問された場合に、口頭で内容や条件・注意点等をわかりやすく説明できるように勉強します。
教材の解説だけでは不足している知識もあります。
私の場合は、国税庁HPから各制度のパンフレット等を使用した勉強もしました。
勉強のポイント
最初は教材を使用して、解説を見ながら不足する知識を定着させていきます。
時間はかかりますが、できれば対策問題集は最後まで目を通したほうが良いと思います。
一通り終えたら直近の過去問をきんざいHPからダウンロードして、本番のように時間を計って行います。
①設例課題を15分で読みポイントを整理して書込む。
②質問事項に対する説明を口頭で行う。
やってみると意外と口頭で説明することの難しさがわかります。しかも実際の試験では、面接官から想定外の質問があるかもしれません。
質問の答えがわからない場合の返答も用意しておいたほうが良いです。
ただ、実技試験で問われる内容や制度は限られているので、繰返し問題を解いているうちに知識が定着します。
自信を持って受験しましょう。
実技試験当日
ここからは、私が2021年9月に受験したときの様子です。
私は地方から受験に行ったので、会場近くのホテルに前泊しました。
服装について
実務経験の実施要領には[服装については、試験の性格上、華美またはラフな服装にならないように注意してください。]と記載されていますが、実際会場に行くとほぼスーツ姿でした。
私が受験したのは9月の東京でしたが、当日は暑かったです。
それにもかかわらず、受験者のほとんどがネクタイをして上着を着用していました。
試験監督官や面接委員の方もネクタイと上着でした。
私は、クールビズ(ノーネクタイでワイシャツとスラックス)で受験しました。
正直、そこまで気にする必要は無いと思います。
待機室
会場に着くと受付があり、番号札を渡されます。
ここで自分のグループと番号がわかります。
時間になると面接委員からガイダンスがあり、グループごとに面接控室に移動します。
面接控室
私のときは1グループ7人でした。ここで自分が PartⅠとPartⅡ のどちらからスタートするかがわかります。
面接控室はこんな感じでした。
番号①の人は PartⅠ、番号④の人はPartⅡから スタートします。
8人グループでは①と⑤からスタートすると思います。
面接控室では、紙媒体の参考書等を見ることができます。
ただ、最初の人はほとんど見る時間が無いです。
私の番号は③だったので、少し安心しました。
PartⅠからスタートということも分かり、相続・事業承継の資料を読んでいました。
設例席へ移動する1分前に案内があります。
時間になると設例席へ案内され、移動します。
設例席に持っていけるものは、筆記用具と電卓のみです。
移動すると設例課題を渡されます。
PartⅠの設例課題を渡されたとき、焦りました!
事業承継税制の特例を中心に勉強していたのですが、
設例は[家族や従業員の中で事業承継できる人がいないため、M&Aを検討している]という内容でした。
正直、M&Aについては勉強不足だったため、不安を抱えて面接しました。
課題内容は、運もあると思います!
PartⅡの設例は想定内だったので、落ち着いて面接できました。
設例課題を渡された瞬間が、一番緊張しました。
設例課題の用紙は書込みが可能なので、ポイントとなるところに印を付けたり、メモをしておきます。
正直15分は、あっという間に過ぎてしまいます。
時間になると面接室へ移動します。
面接審査
面接室の前へ移動したら、ノックをして入室します。
面接室はこんな感じでした。
挨拶をして着席します。
面接は、主に審査委員の内1人が質問をします(私のときは向かって左側の方でした)。
何を質問されるか不安なので、緊張します。
12分はあっという間なので、回答はポイントを絞って簡潔にしたほうが良いと感じました。
終了すると面接控室に戻ります。
2回目も同じ流れで、待機→設例課題→面接をします。
試験終了後
2回目の面接を終えると面接控室へ戻り、全員が面接を終えるまで待機します。
午前の試験でしたが、終了時刻は13時5分頃でした。
受験後
合否
合格点は200点中120点ですが、採点方法は不明です。
合否通知書が来るまでは結果がわかりません。
合否通知書には得点は記載されていますが、 PartⅠとPartⅡの内訳はありません。
私の場合は下図のとおりでした。
分野名 | 得点 | 配点 |
顧客の問題点の把握 | 27 | 40 |
問題解決策の検討分析 | 42 | 60 |
顧客の側に立った対応 | 39 | 60 |
FP倫理と法令遵守 | 26 | 40 |
合計 | 134 | 200 |
合格すると合格証書が段ボールに挟まれて送られてきます。
まとめ
学科試験に合格した方であれば、しっかりと対策をしてから受験すれば不合格になることはないと思います。
FP1級は受験料も高額ですし、場合によっては交通費や宿泊費も必要です。
1回で合格できるよう対策をして、自信を持って受験してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
合格をお祈りいたします。
実技試験は合格率も高いし、学科試験のときに勉強しているから1月前くらいになったら対策をしようと思っていました。
実際、実技試験の勉強を始めてみると学科試験よりも深い知識が必要な部分もありました。
問題集を見たとき、最初は全然解けなかったです。
学科試験の復習だけではなく、実技試験のための勉強が必要だと気がつきました。
もっと早く取り組めば良かったと後悔しました。