暗号資産投資が一般的になってきましたが、利益を得た場合には確定申告が必要です。
この記事では、暗号資産と税金について解説しています。
暗号資産と確定申告
会社員でも確定申告が必要
一般に会社員は年末調整された給与所得のみであれば、確定申告の必要はありません。
しかし、会社員であっても年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円を超える場合等は確定申告が必要です。
給与所得がある方のうち、次のような方は確定申告をしなければなりません。
① 給与の収入金額が2,000万円を超える方
② 1か所から給与の支払を受けている方で、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える方
③ 2か所以上から給与の支払を受けている方で、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得や退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える方
暗号資産の売買・交換等による収入は雑所得になるため、20万円超の利益が出た場合は確定申告が必要になります(給与所得以外の所得が無い場合)。
暗号資産の利益は雑所得
暗号資産の取引は雑所得で総合課税です。
所得控除等も考慮する必要はありますが、最高税率は55.945%(所得税45%+復興特別所得税0.945%+住民税10%)です。
所得税は累進課税で税率は下図のとおりです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
現状、税制優遇措置等はありません。
同じ雑所得でもFXであれば、源泉分離課税で20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。
暗号資産の申告方法
暗号資産の所得の計算には、基本的には国税庁HPに掲載の「暗号資産の計算書」を使用します。
計算方法には総平均法と移動平均法がありますが、暗号資産交換業者(取引所)から交付される年間取引報告書を利用する場合は総平均法で計算します。
年間取引報告書の数値を入力するだけなので、申告自体は簡単です。
詳しくは、国税庁HP[暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について]を参照してください。
納税資金対策が必要
申告と納税はセット
所得税の確定申告は3月15日迄ですが、納税期限も同日(延納制度の利用を除く)です。
暗号資産の利益の一定割合を日本円で保有する等、納税資金を確保しておく必要があります。
「億り人」になった方の中には、納税できずに困っているというニュースもありました。
利益を既に使ってしまったり、再び暗号資産に交換してその後値下がりしてしまったりと原因は様々だと思いますが、一番は知識不足だと思います。
暗号資産投資に限らないですが、事前の勉強は必要です。
これから始めようと思っている方はお気をつけください。